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このドキュメントは 東北大学 金属材料研究所 材料分析研究コア 分析電顕室 TEM講習会の資料(作成中)です。

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第1回では、装置使用の前提知識の確認及び、実験の開始と終了について講習を行いました。

第2回では、TEM/STEMの操作方法について講習を行いました。

第3回では、STEM-EDSの操作方法について講習を行いました。

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第4回の実習内容

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初級講習の必須事項には含まれませんが、収差補正装置を備えたSTEMの空間分解能を活用するためには是非とも習得してもらいたい技能です

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  1. まずは完成形を

  2. ロンチグラムとは

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    照射系レンズによって電子線を試料付近に収束させて、回折面上にできる試料の投影像(図形)のことをロンチグラムという。照射系レンズによって試料付近にできた収束電子線プローブの光学的特性(収差の程度)を知ることができる。STEMにおいて入射電子線の試料への焦点あわせや、プローブの収差のない角度範囲の確認、非点(軸上)収差の補正等に用いられる。

    出典 https://www.jeol.co.jp/words/emterms/20121023.111557.html#gsc.tab=0

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  3. 球面収差は補正補正済み

    1. 本調整ではCSコレクタの調整が済んでいる事を前提とします。
  4. 調整項目

    1. PLアライメント
    2. 軸上コマ収差
    3. 2回非点収差

ロンチグラムを用いたSTEMアライメント手順

  1. TEMモードで通常の手順で観察対象領域を表示する。

    1. 高分解能STEM観察を行う場合は晶帯軸を出しておく。
    2. STEM軸調整のために近くに、非晶質で十分に薄い領域が必要。
      1. 支持膜担持試料の場合は支持膜部分で調整可。
  2. STEMモード移行準備

    1. CL1絞りはφ150umを選択。
    2. CL2絞りは抜く。
    3. 倍率はx10K~200K 程度
    4. ビームをスポット状に絞る。(小蛍光板程度)
    5. Beam ALIGN でビームを蛍光板上でセンタリングする。
  3. STEMモードに移行する。

    1. 「Scaning」を選択
    2. スキャンが始まるが通常はまともな画にはならない。
  4. アライメント準備

    1. 「Ronchigram」 モードに入る。
      1. ビームスキャンが止まり、スクリーンにプローブが表示される。
    2. CL1以外の絞りは全て抜いておく。
    3. Spot Size:8C
    4. カメラ長:6cm
  5. 小蛍光板で作業。

    1. Std Focus
    2. 試料位置を確認する。
    3. 高さを調整
  6. ボトムカメラでロンチグラム表示

    1. 露光時間 0.15sec
  7. ビームストッパー挿入

  8. アモルファス領域へ移動する。

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    1. 支持膜
    2. Cデポ
    3. 膜孔近傍のダメージ層 </aside>
  9. 「PL」調整 ロンチグラムの中心 = 検出器の中心(≒ビームストッパー)

    1. PL Align でロンチグラムの中心 = 検出器の中心(≒ビームストッパー)に合わせる。a

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      デフォーカス量が小さいと、ロンチグラムの中心が判りにくいので大きく変化させて確認する。

      • 最初からそれなりに合っている場合もある。(前の使用者次第)
      • defocus を「大きく」変化させると、Justfocusの前後で像の「浮き上がり」「沈み込み」が起こる。
        • この時の「浮き上がり」「沈み込み」の中心がロンチグラムの中心。 </aside>